ゆうまるらいふ

悩めるサラリーマンの頭の中

【全ての政治家よ読んでくれ】東京貧困女子。を読んで

コロナ禍の終わりがようやく見えてきた昨今、せっかくコロナのパンデミックが終わろうとしているというのに、物価は次々と上昇していき今度は日本が不景気のパンデミックに至らないかと不安になるほどに経済的不安が漂っている。

 

今回『東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓いたのか』という本を読んだ。

 

この本を手に取ったきっかけは、この不景気の中増えているであろう「貧困」というワードが目に止まったからだ。運良く自分含め身近な人達は、それぞれが不景気の不安を抱えお金に苦労しながらも「貧困」というワードが出て来るほどに経済的に追い込まれている人はいない。しかしこの不景気の世の中、そういった人たちは自分達が気づいていないだけで意外と多くいるのかもしれない。自分も経済的不安を抱える中、その現実を知っておいた方が良いのではないかと考えた。

 

この本に出てくる女性達はみな本当に壮絶な人生を歩んでいた。パワハラで障害を持ってしまった人、親の虐待を受けて育った人、離婚してから養育費が振り込まれず貧困になり、子供は高校も行かずに働いて貧困が子供にまで続いていく家庭。「貧困」になるまでにさまざまな辛い理由があった。こんなに辛いことが、こんなに辛い現実を生きている人が本当にいるのかと、読んでいて目を背けたくなるほどに辛くなることばかりだった。フィクションであって欲しいと願いたいが、どうやらこれは現実らしい。経済的不安を抱えながらも、なんだかんだ人並みの生活が出来ている自分は本当に幸せなんだなと思わされるほどだった。当たり前だと思っていたことが当たり前に出来ないことが貧困なんだなと。

 

この本を読んで1番に思ったことはこの本を全ての政治家に読んでもらいたいという気持ちだった。この本の中に出てくる「貧困」の事情は様々だが、高額な奨学金という名の借金、非正規雇用介護福祉士の低賃金問題、これらの問題が無ければこの人たちは貧困になることなんて無かったのではないだろうか、国の制度がこんな格差を生まないようになってさえいれば、と思う人が多く出て来たからだ。

これらはもう国が、政治が動いてくれなければ、解決出来ないものではないかと読んでいて何も出来ない自分に不甲斐さを感じた。最近の政治は「異次元の少子化対策」なんてワードを使ってはいるものの、医療費や学費を免除やら手当をどうたらとかいう話しか出てこない。そんなことで誰が「これまでは苦しかったけど、これなら子供を産んでみようか」なんて思えるだろうか。そんなことにお金を使って、じゃあ消費税が足りなくなったので増税なんて言われてしまえば、さらに貧困者が増えてさらに不景気になり子供が産めない世の中になっていく。

 

このような貧困者を救いたいと思っても自分が出来ることは少ない。支援団体に寄付出来るようなところがあれば少しでも寄付をしたり、世の中を変えるために政治に関心をもったり、こうして微力ながらでもSNSで発信をして、たった1人でも良いからこの現状に関心を持ってもらう。そんなことしか出来ることは無いかもしれない。

 

この「貧困」に苦しめられている人達がいる現実を、全ての政治家に知って欲しい。それ以外の全ての人にも、この現実を知っておく必要があると思う。この本は今後の日本の為にも、全ての人に読んでこの辛い現実を知ってもらいたい。「貧困なんて他人事だと思っていた」といつか自分が思わない為にも。